3DCGでのイメージセンサーサイズ・焦点距離・画角について

2022/02/07

maya

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今回は3DCGのカメラのイメージセンサーサイズ、焦点距離、画角についてお話しようかと思います。カメラに映る範囲を決めるにはこの3つ関係性を知る必要があります。

画像や用語はmayaで説明していますが、他のソフトでも参考にはなるかと思うので、よかったら覚えていってください。

まずは、それぞれがどのようなものなのかを見ていきましょう。

出典:EOS R | EOS Rシステム・RFレンズ

イメージセンサーサイズとは

デジタルカメラのイメージセンサーとは撮像素子とも呼ばれるもので、銀塩カメラに例えるとフィルムに相当する光の像をとらえる部分です。レンズを通してここに写された像が画像となります。

上のカメラの画像でいうと内部にある虹色の四角い部分ですね。

mayaでは[Camera Aperture(inch)][Camera Aperture(mm)]と呼ばれています。


イメージセンサーはさまざまなサイズがあり、写真用と、動画用とでもサイズが違います。

メーカーや機種によっても規格が少し違っていたりするのですが、おおよそ下の表のサイズです。

イメージセンサー(写真)
35mmフルサイズ36mm × 24mm
APS-C24mm × 16mm
フォーサーズ17.3mm × 13mm

35mmフィルム(映画)
スーパー3524mm × 14mm
35mm22mm × 16mm

私たちが一番触れる事が多いものとしては、フルサイズ一眼レフカメラなどに搭載されている[35mmフルサイズ]や一眼レフカメラのエントリー機に多い[APS-C]です。

実際のカメラで写真を撮ると、センサーサイズの大きさによって画に違いが出てくるのですが、それはまた別の機会に紹介させていただきます。


焦点距離とは

焦点距離とは、レンズの中心である「主点」からイメージセンサーに結像するまでの距離のことです。

実際のレンズは上の画像のようにたくさんのレンズの組み合わせで構成されているため主点の説明は難しくなってしまうのですが、このページでは簡略化した下の画像のようなイメージで説明していきます。

カメラの仕組みのイメージ


mayaでは[Focal Length]と呼ばれています。

一般的にはカメラのレンズのミリ数の事を指しています。よく、50mmの標準レンズとか70mm-200mmの望遠ズームレンズなどと表記しますが、この時のミリ数が焦点距離と呼ばれるものです。

一眼レフカメラなどでは、レンズを交換したり、ズームして動かすことで焦点距離を変える事ができます。


画角とは

画角とは、カメラで撮影した際、実際に映る範囲を角度で示したものです。

画角には水平画角、垂直画角、対角画角があります。それぞれ、水平、垂直、対角の画角を示したものです。


画角はイメージセンサーの大きさと焦点距離によって計算されます。

  • イメージセンサーが大きくなれば画角は広くなり、小さくなれば画角は狭くなります。
  • 焦点距離が短くなれば画角は広くなり、長くなれば狭くなります。


mayaでは[Angle of View]と呼ばれています。

mayaの場合は水平画角を表示しているようです。

※mayaの公式の情報ではなくネットで調べた情報なので正しいかは不安ですが、換算表などと照らし合わせるとおおよそ合っているのかとおもいます。


大事なのは画角

ということで、イメージセンサーサイズと焦点距離によって画角が変わるという事がわかりました。

では、3Dで画を作る時にこれらの中で何を意識したらよいでしょうか?

この中でお客さんに直接伝わる部分は画の広さを扱う画角だけです。

画の広さは演出的に非常に重要な要素であり、画の印象を決める要素です。

つまり、画角を一番意識する必要があるのです。


気を付けるべき点

mayaでカメラを新規作成した状態では基本的には、

Camera Aperture(mm)=36×24

Focal Length=35

Angle of View=54.43

という状態になっています。

この情報を言い換えると、

35mmフルサイズのイメージセンサーで、

35mmの焦点距離のレンズを使用して、

画角が54.43℃であるという事です。

mayaのcameraShapeのアトリビュート


ここで気を付けなければいけないのは[35mmフルサイズのイメージセンサー]であるという事です。普段はFocal Lengthしか意識せず、Camera Apertureを確認しないという方も多いかと思います。しかし、何かの拍子にCamera Apertureの値が変わってしまうとイメージした画を作れない場合が出てきてしまいます。


例えば、よくディレクターや演出から「〇〇mmくらいのレンズでお願いします。」などと指示をいただく事があります。

おそらく一般的なフルサイズ一眼レフカメラで使用されている35mmフルサイズのイメージセンサーという前提で指示を出しているのだと思います。もし、指示を出した方が普段使用しているカメラがAPS-C機でそのイメージで伝えているのであれば、想像している画にはならないでしょう。

また、作業しているシーンのカメラのCamera Apertureがデフォルトの状態から変わっていた場合や、作品として別のイメージセンサーサイズを採用している場合は、これまた指示を出した方のイメージにはならないでしょう。

シーンを作成する立場としては、〇〇mmというのを鵜吞みにはせずに、イメージセンサーサイズと焦点距離と画角の関係を理解したうえで、作業する必要があます。正しく作業するには指示を出した方に詳細に確認する必要があります。以下のどれかを確認してみてください。

  • 画角はどのくらいか?
  • 〇〇mmという指示は35mmフルサイズのイメージセンサーという前提でよいか?
  • 抽象的に、もう少し広い画にしたいのか?それとも狭い画にしたいのか?


まとめ

今回はイメージセンサーサイズと焦点距離と画角の関係をお話しました。

大事なことは以下の事なので、活用してみてください。

  • イメージセンサーサイズと焦点距離によって画角が決まる。
  • 大事なのは画の印象を決める画角。
  • 〇〇mmと指示をもらっても、イメージセンサーのサイズが明確でない限り指示を出している人と作業している人の間で思い描いている画が変わってしまうので、どのような画にしたいかを詳細に確認する。

今回は以上となります。

それではまた。

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